3学期開始しました。
年末年始の休暇をはさみ3学期が始まりました。
高校3年生は次の進路への準備に、また中学校・高校の他学年は進級・進学に向けて大切な時期になります。
3学期の初めにあたり始業式での校長挨拶をご紹介いたします。
3学期始業式 校長挨拶
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年も新型コロナウイルス感染症のニュースで始まってしまいましたが、本校では皆さんの協力もあり、罹患者を今のところ最小限に抑え込めていると思います。ご協力に感謝すると同時に、感染力が非常に強いオミクロン株に対しては、再度原点に戻り、手洗い・うがい・マスク着用や三密への配慮の徹底など、ウィズコロナに向けて当たり前になってきたことを当たり前に実施していただきたいと思います。
さて、新年に際して皆さんの夢について考えてみたいと思います。
皆さんはお正月に際して、今年1年をどのような夢に向かって、どのような行動を取ろうと考えられたでしょうか?
もしまだ考えていない方がおられたら、ぜひ年初にあたり考えて頂きたいと思います。
以前お話ししたことを覚えておられるかもしれませんが、世界のトップクラスの大学の一つであるアメリカのイェール大学の卒業生にアンケートを行ったそうです。内容は「夢や目標を書いて日ごろ目にする場所に張っていますか」というもので、イェール大学では約2割の卒業生がそれを実行していたそうです。そして驚くべきことに目標を書いて張り出していた卒業生は、それをしなかった卒業生と比較して、様々な面での成果が10倍あったということです。世界トップクラスの大学の卒業生ですから、そもそも全員が豊富な知識と高い能力をもった人達です。その中でも目標を掲げていた人達が群を抜いて大きな成果をあげていたということになります。
これは日々、目標をもって、それを意識して行動していれば、自ずと夢は叶うということを意味していると考えています。
私の夢は、「チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムを通して、世界の複雑さを理解し、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来に向け責任ある行動をとるための態度とスキルを身に着けていただく」学校づくりの実現です。この夢の実現に向けて、日々新たな視点で、小さなことから様々な挑戦を始めていきたいと思っています。実はこの目標は国際バカロレアが目指す姿でもあります。
そんな夢について考えている中で、思い出したことがあります。
私が企業の広告・広報の責任者をしていた頃のことです。NYのタイムズ・スクエアでミュージカル仕立てのコマーシャル・フィルムの撮影をしました。ブロードウェイのダンサー500名以上を自分自身でオーディションをし、選び抜いたダンサー達とニューヨークのタイムズ・スクエアを封鎖してミュージカル仕立てでフラッシュモブをベースにした作品でした。この時、ダンサー、振付師、ヘアメイク、衣装から、音楽を担当していただいたジュリアード音楽院の教授にいたるまで、とても真剣に激しい売り込みをかけてこられたことにとても驚いたことを覚えています。
実際に選ばれたダンサー、振付師、ヘアメイク、衣装、ジュリアード音楽院の教授まで皆さんがプロとして成功を収めておられる方ばかりでしたが、売り込みの積極性、本番までの真剣な練習風景や様々な周到な準備風景を見て大変感心しました。例えば、ダンサーの皆さんは練習会場のスタジオに来る道から姿勢を正し、さっそうと扉を入ってこられ、スタジオ内では常に美しい姿勢を保たれ、練習外でも一切、気を抜かれなかったことが鮮明に思い出されます。皆、大きな夢を持って、夢に向かってコツコツ努力をしておられました。
お正月に際して、みなさんも大きな夢を見出し、それを友人と語り、そして夢の実現に向けた努力をはじめて下さい。
着眼大局・着手小局、という言葉があります。思いや視野は大きく広く、ただしその実現に向けた努力は目の前の小さなことから始める、という意味です。
社会の一員として当たり前のことを当たり前に、できる事から確実に実行していきましょう。
それが、皆さん自身の夢の実現に向けた第一歩だと信じて、先ずはその目標を書いて目に留まるところに張り出してみましょう。
お正月に際して目標設定の大切さと「着眼大局・着手小局」という言葉を皆さんにお送りして私からの挨拶とさせていただきます。
今年もより積極的に、より大胆に活動をしていきましょう。『やっておいたらよかった』ではなく、『やっておいてよかった』といえるように、二文字違いの大きな隔たりを意識しながら、取り組んで下さい。
少し長くなりましたが、私からの始業式の挨拶とさせていただきます。
令和4年1月11日(火)
大阪市立水都国際中学校・高等学校
校長 井上 省三