Dream Miles Passでのオーストラリア留学体験記

2025年春、私は大谷翔平選手とJALの共同プロジェクトである”Dream Miles Pass” に選出され、オーストラリアのシドニーで防災探究を行いました。
この “Dream Miles Pass”は世界で活躍する大谷翔平選手の「夢を持つすべての人の挑戦を応援したい」という思いから始まった高校生以上のすべての人が応募可能なプロジェクトです。
私はこのプロジェクトの1期生17名に選ばれ、シドニーへ向かいました。
(これまでの経緯はこちら:https://osaka-city-ib.jp/blog/student/entry-823.html)
応募のきっかけ
昨年夏、大谷選手の留学プロジェクト Show Your Dreams の後、他のフィールドでの防災探究を考えていたところ、Dream Miles Pass に出会い、すぐに応募を決めました。
今回はシドニーで活動されている”Girls on Fire” という少女が中心となって消防・救助活動を行っている団体の訓練に参加し、ユース世代からの防災教育について学びたいと思い応募しました。
シドニーでの生活について
滞在期間は1週間でした。この滞在期間の間に、消防関係のさまざまな施設に向かい、この地でしかできない貴重な体験をさせていただきました。
今回、”Girls on Fire” のファウンダーで元消防士のBronnie Mackintoshさんに、シドニー市内を案内いただきました。
今回の旅で以下の3つの施設を案内していただきました。
The Museum of Fire
シドニー郊外にあるこの博物館では、シドニーでの消防の歴史をはじめ、今まで使われてきた消防車の展示や、子どもが遊びながら消防について学べるスペースがありました。
シドニーでは昔から女性が中心となって活動している消防団があり、それが今回探究活動をする”Girls on Fire” の起源になっているとBronnieさんから教わりました。
博物館内は子ども連れの家族が多く、子ども達は消防車などのおもちゃがあるコーナーで遊びながら消防への関心を高めているように感じました。
現地消防署 City of Sydney Fire Station 見学
現役署員のTom Alfordさんに消防車両の説明や建物、施設の説明をしていただきました。
オーストラリアでは日本の消防とは少し違う形式であり、消防が担当するのは消火と救助のみで、そこからの搬送や救命などは別の組織である救急が担当するということを教えていただきました。
その後消防署内を案内していただきました。
2階のリラックスルームでは休憩の時間の署員さんたちがソファでくつろぎながらラグビーを見ていたり、3階の部屋には大きなバスケットコートがあり、署員の方は心身の疲労を癒せるようになっていました。
その後、出動から帰ってきた消防車に特別に乗せていただきました。車内には、山火事の際にも使用可能なように窓にカーテンがついていることに驚き、オーストラリアならではの対応だなと感じました。
Girls on Fire 訓練参加
2000年に世界自然遺産に認定されたブルーマウンテンズにある消防署で訓練が行われ、特別に参加させていただきました。
この日のプロジェクトには、地元の消防署とブルーマウンテンズ国立公園との共同開催で、1日を通して楽しく学べるプログラムとなっていました。
午前にBronnie さんの講義があり、午後から実際の消火・救助体験がありました。
午前の講義では基礎的な消防の仕組みや通報の仕方から始まり、実際にどんな場面で活動があるのかなどについて紹介がありました。
昼ごはんは消防署前で消防署員の方がBBQ形式で焼いてくれたソーセージを使ったホットドックでした。私たち子どもにとっては特別扱いしてくれているような感覚でした。
そして午後からは、バケツの中に火をつけて消火器や布を使って火を消す訓練や実際に消防署で使っているホースを使った放水訓練や、国立公園のブースにて救助が必要な人に対してどのようにアプローチして捜索、搬送するのかという訓練を行いました。
布を被せる消火の訓練では、実際の火に近づき布を被せるのでとても熱く恐怖を感じましたが、訓練の時点でこの体験ができるなら本番でも緊張や不安を軽減し対応できるなと感じました。
これらの訓練によって私は今まで日本で経験した避難訓練とは、比にならないほどのスキルを身につけることができたと感じました。
日本では現在まで、消火や救助は大人がするものという教育を行ってきましたが、Girls on Fireの活動では子どもの頃から消火や救助に関するスキルを磨くことができます。
この活動によって様々な子どもが防災・減災に興味を持ち、国全体の防災・減災意識が向上していくと考えました。
この活動が日本で広まることで、若者をはじめとするたくさんの人が防災への意識を向上させるのことができるのではないかと考えました。

今後の展望
今後は自分の地元大阪などで Girls on Fire のような学生時代から防災を取り組み、今後の社会を担う人材を育成するようなチームの普及などを行っていきたいと考えています。
今まで人生の半分を防災士として過ごしてきました。
現在の日本では防災を若者がする機会が少ないと感じています。
当事者である自分だからこそ、この課題を解決することができると考えています。
今後は水都だけでなく次の進路でも新たな防災教育を普及していき、いずれやってくる大災害に対して万全の対応ができるような日本を作り上げていきたいと強く願っています。

