(担当の先生からの寄稿)
高校2年生対象のIB(国際バカロレア)・DP(ディプロマプログラム)「言語A:言語と文学」において、与謝野晶子の『みだれ髪』を扱いました。120年前に発表された、近代短歌の黎明期を代表する歌集です。この歌集は、『サラダ記念日』で有名な俵万智という、現代を代表する歌人が「チョコレート語」に訳したことでも知られています。訳といっても短歌の形式を崩さない形でなされており、意訳あるいは翻案と呼ぶべきものになっています。いわば、明治の時代に詠まれた歌を平成の時代に変換する形で、新たに詠まれた歌となっています。そこには、時代を越えるための表現上の変換はもちろんのこと、俵万智という歌人の創造性に基づく変換が認められます。これは日本語から日本語への変換ですが、『みだれ髪』は日本語から英語への変換も行われています。昭和の終わりに発表された『Tangled Hair』です。そこには、言語と文化を越えるための変換が認められます。生徒たちは、この俵万智の訳や『Tangled Hair』の英訳も考察の対象とし、多角的に『みだれ髪』にアプローチしました。さらに、すでになされた翻訳を参照するだけでなく、意訳や英訳を自分で創作することで、詠まれた歌の本質に迫ろうとする生徒もいました。どの考察も時間と労力をかけ、十分に練り上げられたものとなっており、中には授業者をうならせるものもありました。ここに、生徒たちのレポートのいくつかを掲載し、紹介いたします。
国語科/IB・DP「言語A:言語と文学」担当教員 船越 亮佑 


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